戦術やトレーニングメニューなど、GKに関する知識は書籍やインターネットで簡単に調べることができます。しかし、果敢なシュートストップや勢いのある飛び出しなど、積極的なプレーのコツ。より上達するためのトレーニングに対する心構えなど、GKの心と頭に深く関わる知識を見つけるのは難しいのではないでしょうか。
そこで、育成年代からJリーグのトップカテゴリーまで。全てのカテゴリーでGKコーチの経験がある、GK育成のスペシャリストである澤村氏が、自身の経験をもとに選手のスキルアップにつながる知識をお伝えしていきます。そして、本コラムを通して、選手の人生までもが豊かになることを目指していきます。
第11回目は、GK自身はもちろん、仲間のプレーにも影響を与える言葉の大切さについてご紹介します。
GKはゲーム中に、内側と外側に言葉を発します。内側とは自分に対して、外側とは他人に対してとなります。どちらもネガティブな言葉は、マイナスな影響を与えてしまいますので、常にポジティブな言葉を心がけるのが、GKの鉄則となります。
日本のGKの場合「失敗したらどうしよう」など、ネガティブな言葉を内側に発している選手が多くいます。一方、海外の選手は「成功したらどうやって喜ぼう」など、ポジティブな言葉を内側に発しています。つまり、海外のGKは成功をイメージしながら、ポジティブな言葉を使ってゴールマウスに立っているのです。
成功を思い描いてゲームに臨む海外のGKは、例えジュニア世代であっても、威風堂々としたオーラをまとっています。さらに、20代前半のGKであっても、プロチームの中心メンバーとして活躍する選手が珍しくありません。このようにポジティブな言葉を発しながら行動する海外選手と、日本のGKを比べると、様々な面で差が生まれてくるのです。
また、レギュラーの座を掴めないのであれば、カテゴリーを下げてでもゲームに出られる場所を探すことが、海外選手のスタンダードになっています。私自身も選手に対して「どこでやるかより、何をやるかが重要」と、伝えています。しかし、所属意識が強い日本人だと、そのチームにいるだけで満足してしまうといったケースも見られます。チームに所属するだけで満足か、ゲームに出て勝利を掴んでこそ満足できるのか。そういった選手人生を左右する部分にまで、ポジティブな言葉は繋がっていくのです。
ゲーム中に「失点したらどうしよう」など、ネガティブな言葉が頭をよぎるのは、自信の無さや不安が原因であることが多くあります。大雨や強風などでグランドコンディションが悪い時、GKはナーバスになります。また、強豪チームと対戦する、劣勢で追い詰められていると、不安が襲ってくるでしょう。人間は不思議な生き物で、失敗をイメージすればするほど、体がそっちの方向に引っ張られてしまうのです。反対に「大丈夫だ」、「いける」といったポジティブな言葉を内側に発していると、例えチームが劣勢だったとしても良いプレーが生まれます。
ネガティブな言葉が頭に浮かんだら、それらをポジティブな言葉に変えていきましょう。ネガティブには2つの意味があり、ひとつがみなさんもご存知の「消極的、否定的」といった意味。もうひとつが「反対」という意味が含まれています。ゲーム中にネガティブな言葉が浮かんだら、「反対」という意味を思い出してください。そうすれば、頭の中で「失敗したらどうしよう」という言葉を「成功すればいいんだ」と、反対の言葉に変換できます。そうすることで、ネガティブな言葉をポジティブに変えて、成功するプレーに近づいていけるのです。
ゲーム中に「失点したらどうしよう」など、ネガティブな言葉が頭をよぎるのは、自信の無さや不安が原因であることが多くあります。大雨や強風などでグランドコンディションが悪い時、GKはナーバスになります。また、強豪チームと対戦する、劣勢で追い詰められていると、不安が襲ってくるでしょう。人間は不思議な生き物で、失敗をイメージすればするほど、体がそっちの方向に引っ張られてしまうのです。反対に「大丈夫だ」、「いける」といったポジティブな言葉を内側に発していると、例えチームが劣勢だったとしても良いプレーが生まれます。
ネガティブな言葉が頭に浮かんだら、それらをポジティブな言葉に変えていきましょう。ネガティブには2つの意味があり、ひとつがみなさんもご存知の「消極的、否定的」といった意味。もうひとつが「反対」という意味が含まれています。ゲーム中にネガティブな言葉が浮かんだら、「反対」という意味を思い出してください。そうすれば、頭の中で「失敗したらどうしよう」という言葉を「成功すればいいんだ」と、反対の言葉に変換できます。そうすることで、ネガティブな言葉をポジティブに変えて、成功するプレーに近づいていけるのです。
私がJのトップチームでGKコーチをしていた時、あるGKに「今日のトレーニングはどうだった」と聞いたことがあります。すると彼は、自分ができなかったことばかりを話したのです。そのことに対して私は、「できないことは、プロのコーチだから分かる。今日できたこと、チャレンジしたことを教えてほしい」と提案しました。選手はもちろん指導者も、できないことに目が向きがちです。しかし、そこにばかりフォーカスしてしまうと、その悪いプレーが刷り込まれてしまいます。また、できない部分ばかりを指導者が指摘していると、選手がアドバイスに耳を傾けなくなってしまうこともあるのです。
選手が持つ長所とは、“今まで成功させてきた回数が多かったプレー”を指します。そして、短所とは成功の回数が少ないプレー、つまり“失敗の回数が多いプレー”のことなのです。短所を指摘し、失敗ばかりを意識させてしまえば、選手は苦手なプレーをチャレンジしなくなります。自信を持つきっかけは、“できないことが、できるようになる”場合や、“できることが、さらにできるようになる”など、人によって様々。だからこそ、選手のキャラクターを見極めながら、できることに目を向け、ポジティブに関わっていくことが大切なのです。
ポジティブな言葉を発するためには、言い切ることを意識してください。「できるかな」、「できたらいいな」ではなく、「できます」、「やります」と言い切る。GKは決断するポジションです。だからこそ、言葉の部分からしっかりと決断する意思を示し、プレーに取り組んでいきましょう。
企画・構成・文章/佐々木 貴智