コラム第7回目はGKのメンタルについてです。メンタルを強くする秘訣を知るには、まずはゴールキーパーとは何かということを理論的に理解することが重要です。どうやったら自信を持たせられるのか、メンタル的に落ちてしまった場合にはどうしたらいいのか?など、皆さんが知りたいことをジョアンがお伝えします。
メンタルを強くする秘訣は? ゴールキーパーとはなんなのか?
理解する必要がありますし、全てのアクションはどう発揮しなければいけないのか?理論的に理解することが重要です。
結局メンタルのベースは自信です。車の運転もそうで、全ての機能を知っていれば恐れることなく車を運転できますね。疑問があったり、知らないことがあったりすると怖いですよね。そうすると運転したら事故を起こす可能性があります。
本人に自信を持たせる、大丈夫だと思わせるには技術を完璧に仕上げる必要があるのです。技術の完璧さとは人間の体の構造を理解しないといけないというのはすでに話をしましたね。
頭の中が混乱している、または不安を感じていることに関して改善するには技術のベースが必要不可欠なのです。こういう状況ではこうする。もしミスが出たらこういう風に対応するとわかっていれば最初のアクションにも自信が持てます。
ミスしてはいけないと思うからプレッシャーを感じます。しかし、もし最初のアクションでミスが起こったらこうやって対処すれば大丈夫とわかっていたら、より最初のアクションに対して自信を持ってプレーできると思いませんか?
結局技術アクションに対する知識も必要になります。なので、私は技術を教える順番があると言っているのです。鎖のように一つ一つ丁寧に作り上げていかないと強く長い鎖はできないからです。
では、メンタル的に落ちてしまった場合どうしたらいいのか?これを皆さんも知りたいところだと思います。
サッカーはゴールを決める競技なんですよ。ファンが見たいのは7-8みたいな試合で基本的に0−0はだめなんで。つまりゴールを競う競技であるということ今一度理解しないといけません。
失点で集中力が下がる、モチベーションが下がるというのはわかります。そもそもサッカーのルールの進化は「いかにゴールが入るようにするか?」ですから。そういう意味で言うとGKのポジションはアンチサッカーなんです。時代の流れでよりゴールが入るようにとボールやスパイク、ルールが変わっていっているに、一人だけ「ゴールを守ろう」としているわけですから(笑)そのぐらい特殊なポジションであるということをGKの選手に理解させないといけないですし、周りのコーチや選手もその理解をしなければいけないです。
そもそもトレーニングするのはセービングをしなくてもいいようにするためです。誰も横っ飛びして痛い思いや怖い思いをするためにプレーしているわけではありません。では、どの距離だったら正面でキャッチに行けるのか、どの距離だったらセービングなのか明確に基準を示しているでしょうか?そこがまだまだ曖昧なので、実はステップを踏めば正面キャッチできるボールなのに、無理矢理セービングして地面に体を叩きつけて痛い思い、怖い思いをしGKでプレーするのが嫌になっている例をたくさんみてきました。もちろんそれでも飛ばないといけない状況があるので飛べるよう準備はしますよ。でも、その前に考えないといけないことがあるのです。
先ほどサッカーはゴールを決めることに喜びを感じるスポーツだと言いました。そうなるとGKはゴールを決められないようにプレーするのではないのです。GKがプレーするのは相手のFWが点を取るのを難しくさせるためにプレーしています。無失点しなければいけない。無失点でなければ失敗だとなるから余計にミスに対する恐怖心が出てきます。そのことをまず大前提として理解しなければいけません。
次回【Ⅳ-中編】メンタルコーチング「メンタルが下がった時は」
2022年1月21日(金)
掲載予定です。