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vol.6 ケガの予防について

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ケガの予防について

— 怪我予防のトレーニングを重視しているとのことですが?
ジョアン氏:

何年か前に私の教えていたGKは、悪い動き方や過剰なトレーニングにより怪我をしていました。それを見た私は知り合いのフィジカルコーチに相談したり、専門書を読みあさり、筋肉や体の構造、乳酸系・非乳酸系トレーニングなどの原理原則を勉強しました。
私は優秀な人間ではなかったので、色々な専門家に会って質問するようにしました。そういった経験からわかったことは、「一人で全てを知ることはできないが、恥を捨てて他人に教えを請うことで様々なことを知ることができる」ということです。

それらは全て選手のためになりました。それ以降も色々なトレーニング方法や怪我予防のメニュー、どこからがアップでどこからがトレーニングかというような区切りを自分のメソッドに取り込んで整理していきました。そうした研究は「選手にいい指導をしたい」という必要性に駆られてやったことで、新しいトレーニングの発明のため、他人に自慢するためにやったことではありません。あることを必要だと思った時、進化しなければならないのは自分自身なのです。

しかし、サッカー界では日を追うごとに「このトレーニングは私が発明した」という人が増えています。私はトレーニングを公表したいと思ったことのない人間ですが、反対にトレーニングを発表することが好きな人もいます。私の知る限り、「このトレーニングは私が発明した」と言う人は、選手ではなく自分にメダルをかけたがっているコーチです。我々GKコーチは、選手を助けるために存在しているのであって、メダルを首からかけるために存在するのではありません。最終的にメダルを首にかけるのは我々ではなく、選手たちなのです。だからこそ、様々な写真や動画をメディアやソーシャルネットワークにアップする必要はないと思います。

— メディシンボールやGK専用トレーニングボールの利用にも積極的ですね。
ジョアン氏:

こうしたボールは積極的に使いたいですし、使うべきだと思いますが、予算との兼ね合いで用意できないクラブもあるのは事実です。ただ、メディシンボール(通常より重いボール)はとても重要なものです。ヨーロッパのGKトレーニングでは、メディシンボールがよく使われています。私の友人であるホセ・サンバテというGKコーチは、トルコのベシクタシュで指導していますが、メディシンボールを40個も使ってトレーニングしていると言います。私も本音を言えば、たくさんのメディシンボールを使ってトレーニングしたいところですが、ないものねだりをしても仕方ないので今は手持ちの数個をフル活用してトレーニングしています。

GKトレーニング専用ボールは反射系のトレーニングに非常に有効です。


また、ここに展示されているGKトレーニング専用ボールは反射系のトレーニングに非常に有効で、GKコーチであれば必ず持っていた方がいいものです。この専用ボールは、不規則なバウンドをして転がりますから、GKは反射的に動くことを求められます。さらに、弾きたい方向に正確に弾くためにはボールの軌道を読み、手の形をしっかり作らなければいけません。普通のボールであれば簡単ですが、この専用ボールだとそう簡単には弾けません。

試合の状況で説明すると、相手のシュートが味方選手に当たってコースの起動が変る状況のトレーニングとしても有効です。スペインでは、1.5キロ、2.5キロと重さの違う専用ボールでトレーニングしていましたが、異なる重さの専用ボールはまだ日本では目にしていません。ボールの重さが増えるということは、時速30キロのスピードが時速60キロに変わることになりますし、手の構えやボールと接触する面のテクニックを選手の年齢やレベルに合わせて習得させることができます。

※写真右:レスポンスボール(品番:RBW4、RBW5)
※写真左:リフレックスボール(品番:1001481)

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